この記事でわかること
Googleビジネスプロフィール(※Googleマイビジネスは、2021年11月にGoogleビジネスプロフィールに名称変更しております)を運用している企業の中には、MEO対策(マップ経由の店舗への来訪を増やす施策)のKPIとして「検索順位」を設定しているところもあるかと思います。
しかし、結論からいうとMEO対策においては、Googleビジネスプロフィールの順位をKPIに設定するのは適していません。
今回は、Googleビジネスプロフィールで検索上位を狙う施策が誤りな理由について、そして、真に追うべきKPIについて解説します。Googleビジネスプロフィールで集客効果を高めたい方には、必見の内容です。
GoogleやGoogleマップで検索した際、検索結果に地図情報とともに店舗の情報が表示されます。Googleビジネスプロフィールとは、自店舗の情報をどのように表示させるかを管理できるサービスとなっています。
ユーザーが特定のエリアで「○○を食べたい」「○○をしたい」と思ったときには、「地域名×サービス名」「地域名×食べ物の名前(ジャンル)」などと入力するため、自店舗のGoogleビジネスプロフィールが表示されれば、集客につながる可能性が高くなります。
例えば「五反田 居酒屋」と検索すると、五反田周辺にあるいくつかの居酒屋のGoogleビジネスプロフィールが検索結果に表示されるため、ユーザーはまずここからチェックしはじめるでしょう。
GoogleビジネスプロフィールはMEO対策には欠かせないツールといえます。
なお、Googleビジネスプロフィールについては、以下の記事で詳しく紹介しているので併せてご確認ください。
MEOとは「Map Engine Optimization:地図エンジンの最適化」の略語で、マップ経由の店舗への来訪を増やす施策の総称です。スマホが1人1台レベルまで普及した現在、MEO対策は店舗集客にとって非常に重要な施策といえます。
なお、MEO対策と似た言葉にローカルSEOという言葉がありますが、両者とも同じ意味です。前者が日本特有の言葉であることに対し、後者は世界共通で使用される言葉という点に違いがあります。
結論、MEOにおける掲載順位はSEOのケースよりもアンコントローラブルな要素が影響するため、上位表示をKPIとして狙うことは適していません。MEO対策の本来の目的は自店舗の情報を見たユーザが「店舗に来訪してくれること」だと思うので、経路案内ボタンのクリック数や電話問い合わせボタンのクリック数などの来訪に近いアクション指標をKPIに設定して運用するのが良いでしょう。
なお、Googleビジネスプロフィールの掲載順位がMEO対策のKPIとして不適切な理由としては、以下の3つが挙げられます。
Googleマップの表示順位は、オフラインでの知名度やクチコミ、WEB上での記事の件数に影響を受けるとGoogleが公表しています。
ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。たとえば、有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
そのため、広く人々に知られている店舗が上位に掲載されることが多く、そもそもマップの対策のみで順位を上げることには限界があります。
Googleが、マップの掲載順位は「関連性」「距離」「視認性の高さ」によって決定されると公表してます。
参考:https://support.google.com/business/answer/7091?hl=ja#zippy=
掲載順位においては特に「距離」が重視されますが「距離」は検索ユーザーと店舗の距離に影響されるため、店舗側でコントロールすることが不可能です。
加えて、上位表示されれば来店数が増えるというものではありません。確かに、似た概念である「SEO」においては検索順位が1位の記事のクリック率は2位の記事の倍以上であるというデータがあるため、上位表示が重要です。
しかし、MEOにおいてはSEOのケースよりも様々なページが閲覧されやすい、また、掲載されている順位よりも駅からの距離や自分の現在地からの距離など位置関係でお店を判断するため特定ワードにおいて掲載順位の上位表示を狙うことのメリットが少ないと考えます。
ユーザーはマップ上に表示される様々な店舗の写真や投稿、クチコミなどを見て比較・検討し、最終的に来店するお店を決めていることが予想されるため、単に「上位に表示されているから来店数が増える」とは考えにくいです。
Googleマップの掲載順位は、ユーザーが検索するキーワードによって変化します。
そしてその検索キーワードの内、91.8%は「ロングテールキーワード」であることが調査で分かりました。
参照:https://www.searchenginejournal.com/keyword-research/long-tail-keywords/#close
ロングテールキーワードとは、3語以上を組み合わせてある検索キーワードのことを指します。具体的な例としては「新宿 ランチ ラーメン」「新宿 ランチ ラーメン 豚骨」「新宿 ランチ ラーメン 駅周辺」などのことを指します。
一般的に、ロングテールキーワードは月間検索ボリュームが少なくなりますが、その分競合が減り、ユーザーに選ばれる可能性が高くなります。
一方で「ランチ」や「新宿 ランチ」はビッグキーワードと呼ばれ、これらの月間検索ボリュームは非常に多く、競合がひしめく地域では検索結果に表示されない可能性が生じます。
Google検索のほとんどがロングテールキーワードであることを踏まえると、企業側で狙いたい2~3キーワードを指定し順位を計測していたとしても、ユーザーが実際に検索するロングテールキーワードは無数に存在しているおり「地名 + 業態」と「業態 + 地名」で検索した際ですら表示される店舗の順位が異なることから、全てのキーワードの組み合わせに対して順位を追うことは現実的に不可能です。
特にチェーン展開されている企業様の場合、エリアごとに「順位を意識して店舗情報を変える」といった運用はブランド毀損に繋がる可能性もあるため現実的ではありません。
以上3つの理由から、Googleビジネスプロフィールの表示順位はMEO対策のKPIとしては不適切だといえます。本来の目的は店舗への集客を向上させることです。そのためには、ユーザーファーストなコンテンツ作りが重要になるでしょう。
MEO対策のKPIを掲載順位に設定するのは間違いといえます。そのため、弊社ではGoogleマップ上での「検索数」や「反応数」といったインサイト数値の向上を目的にMEO対策を行うべきと考えます。
検索数とは、ユーザーの検索結果として自店舗のGoogleビジネスプロフィールのページが表示された回数です。検索数はGoogleビジネスプロフィールのインサイト上にある「ユーザーがあなたのビジネスを検索した方法」で確認でき、一般的なPV数の指標として活用できます。
検索数は「合計検索数 = 直接検索数 + ブランド名検索数 + 間接検索数」でカウントされ、それぞれの概要は以下の通りです。
なお、検索数については、以下の記事でも詳しく解説しているのでご確認ください。
【Googleマイビジネスとは③】ブランド検索と検索数のインサイト
反応数はGoogleビジネスプロフィールのインサイトにある「ユーザーの反応」で確認できます。各ボタンのクリック数は、もっとも来店に近いアクションが行われた回数といえるため、一般的なコンバージョン(来店)に近い指標として活用することが可能です。
インサイトでは、以下3つのユーザーがとったアクションの内訳と、合計の推移を確認できます。
インサイト数値を向上させるためには、日々の運用で実施する施策の質が重要です。本章では、Googleビジネスプロフィールで行うべき8つの施策を紹介します。
Googleビジネスプロフィールに入力する店舗やサービスの情報は正確に入力しましょう。Googleのガイドラインには、自社のビジネス情報を充実させることが、検索結果で表示されるために有効だと言及されています。
そのため、少なくとも以下の情報については、最新の内容を入力することが必須です。
参考:Googleビジネスプロフィール ヘルプ/Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法
ユーザーの興味を引く写真や動画を投稿することも、MEO対策には効果的です。写真や動画を掲載することで、Googleビジネスプロフィールのコンテンツが充実し、閲覧ユーザーにもポジティブな影響を与えます。
Googleビジネスプロフィールに追加するべき写真の種類と数をGoogleは明示しているので、少なくとも以下の写真はすぐに準備するべきでしょう。
参考:Googleビジネスプロフィール ヘルプ/ビジネス用写真
Googleビジネスプロフィールでは、更新頻度を上げ、情報を常に最新に保つことも大切です。ユーザーに最新の情報を提供することで、自店舗のGoogleビジネスプロフィールの信頼性向上が期待できるでしょう。
そのため、Googleビジネスプロフィールの情報はこまめに確認する必要があります。また、急な休業や営業時間の変更、店舗の移転などがある場合も、最新の情報をユーザーに提供することが重要です。
ユーザーが営業時間外や、記載されている間違った住所に訪れてしまった場合、店舗への信頼を失う可能性が高くなります。したがって、Googleビジネスプロフィールに掲載する情報は、常に正確で最新な状態になるように努めなくてはいけません。
Googleビジネスプロフィールの投稿機能を活用して、最新情報やクーポン、キャンペーンの情報などを提供することも、MEO対策には有効でしょう。
主に以下のカテゴリに関する投稿がおすすめです。
なお、Googleビジネスプロフィールの投稿機能の活用方法は、以下の記事でご確認ください。
Googleマイビジネスの「投稿」を使って店舗の最新情報を公開しよう
自店舗で提供している商品やサービスの情報を充実させることも必須です。
Googleビジネスプロフィールでは、前述した投稿機能の「商品」で自社の商品情報を掲載できます。また飲食店の場合は、ダッシュボード上の「メニュー」という機能を活用することで、メニューの情報を掲載することが可能です。
ユーザーがどのような商品やサービスがあるのか把握することで、店舗に興味を持ってもらい、来店につながる効果が期待できます。
ユーザーのクチコミを集めることも、Googleビジネスプロフィールを活用したMEO対策には重要です。クチコミはユーザーのリアルな声を反映したものであるため、ポジティブな内容のものが増えることで、集客効果も向上するでしょう。
なお、Googleビジネスプロフィールのクチコミ対策については、以下の記事で詳しく解説しているのでご確認ください。
ユーザーが投稿してくれたクチコミには、すぐに返信するようにしましょう。
クチコミの中にはネガティブな内容のものも含まれることがあると思いますが、こちらにも真摯に対応する必要があります。
ネガティブなクチコミに対してどのように返信し改善を約束したのか、ほかのユーザーも確認できますので、店舗側が適正な対応をすることで信頼性の向上につながり、集客にもポジティブな影響を与えるでしょう。
また、悪意のあるクチコミに関してはGoogleに削除依頼が可能です。詳細は下記の記事をご覧ください。
Googleマップの口コミは自分で消せる?削除依頼の流れや注意点を解説
自社ホームページやSNSの公式アカウントを運用している場合は、そちらでの情報発信も併せて行いましょう。Googleビジネスプロフィールでは店舗やサービスの知名度も影響するとお伝えしましたが、さまざまな媒体でユーザーに広く知ってもらうことは非常に重要です。
ただし、ホームページやSNSに掲載、発信する情報は、Googleビジネスプロフィールと同じ内容にしましょう。それぞれの情報に齟齬があると、ユーザーに混乱を与えてしまう可能性があるだけでなく、Googleからの評価にも影響します。
Googleビジネスプロフィールのインサイトでは、さまざまなデータを確認できるため、分析することでPDCAサイクルを回すことが可能です。
施策の実施後に、閲覧数や検索数がどのくらい変わっているか確かめたり、どのような写真に反響が集まっているか確かめたりできれば、次の打ち手が精度の高いものになるでしょう。
また「ユーザーがあなたのビジネスを検索した方法」では、自店舗のGoogleビジネスプロフィールを検索するためにユーザーが利用した検索ワードが把握できます。利用率が高い検索ワードを特定し、Googleビジネスプロフィールのコンテンツやクチコミに含めたり、自社ホームページやSNSなどでも取り入れることで、さらなるMEO対策が期待できるでしょう。
なお、Googleビジネスプロフィールのインサイトについては、以下の記事でも詳しく紹介しているので併せてご確認ください。
MEO対策はさまざまな要素が影響して表示結果が決まるため、Googleビジネスプロフィールで上位表示を狙う施策は意味がありません。インサイトの検索数と反応数をKPIに設定し、今回紹介した8つの施策を実践して、店舗への集客向上を実現していきましょう。
とはいえ、日々の業務をしながらGoogleビジネスプロフィールの情報を更新し続けるのはなかなか大変な作業です。
また、自社ホームページ、SNSといったほかの媒体も適切に運用するとなると、膨大な工数がかかります。特に複数店舗を運営している場合は、なおさらです。
弊社では、Googleビジネスプロフィール・HP・SNS情報の一括管理サービス「Canly(カンリー)」を提供しています。Canlyを使えば、あらゆる媒体の情報を適切に整備し、ラクに運用することが可能になります。
また、国内外40,000店舗以上の支援実績を持つ専任のコンサルタントが、貴社内の状況を鑑みた上で運用体制の構築から日々の運用支援まで徹底的にサポートするため、効果的なMEO対策が見込めます。
Canlyのサービス内容は以下で確認できますので、ぜひご活用ください。