ローカルSEOはインターネットにおける高い集客効果を高める施策として、多くの企業が注力しています。スマートフォンの利用者が増えた近年、ローカルSEOは全ての企業にとって欠かせない取り組みです。
そこで今回は、ローカルSEOの概要や効果、種類、順位を決定づける要素、対策方法などを解説します。これからローカルSEOに取り組む企業の担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。
ローカルSEOとは、Googleの検索エンジンやGoogleマップ上の検索結果での上位表示を目的とした、地域特化型のSEOです。
ローカルSEOとMEOは呼び方が違うだけであり、Googleマップ上に店舗の情報を表示させる施策の意味では同じです。
「渋谷 ラーメン」「恵比寿 エステ」など、特定の地域名とキーワードを組み合わせて検索した際に、上位表示を目指すSEO施策といえます。「渋谷 ラーメン」と入力すると、渋谷区のラーメン屋さんに関する情報が検索結果に表示されるため、企業側には店舗の情報を充実させておく対応が求められます。
また、上位に表示されるほど集客効果が高くなるため、できるだけ顧客にとって価値の高い情報や最新の情報を掲載することも重要です。
ローカルSEOとSEO、MEOとの違いを知らない方も多いと思います。ローカルSEOとSEO・MEOの違いをそれぞれ解説しますので、この機会に覚えておきましょう。
SEOとは「Search Engine Optimization」の略語で、日本語に直訳すると「検索エンジンの最適化」という意味です。つまり、Google検索にキーワードを入力したときの検索結果に、自社のWebサイトを上位表示させる施策がSEOだといえるでしょう。
ローカルSEOがあくまでも「地域名×キーワード」という地域に特化し、おもにGoogleマップでの上位表示を目指す施策である点に対し、SEOは検索エンジンにおけるWebサイトの上位表示を目指す施策という点が両者の違いです。
引用:seoClarity /2021 CTR Research Study: The Largest Ever for SEO
なお、米国のSEO企業であるseoClarityが発表したデータによると、2021年の日本における検索順位が1位のCTR(表示回数に対するクリック率)は13.94%、2位で7.52%という結果です。
検索順位が1位になったWebサイトは、検索した顧客のうち10人に1人がアクセスするため、SEO施策の重要度が分かると思います。一方、検索順位が10位以下になると、ほとんどクリックされないことも覚えておくべきでしょう。
MEOとは「Map Engine Optimization」の略語で、日本語では「マップエンジンの最適化」という意味です。つまり「MEO=ローカルSEO」といえます。
海外ではローカルSEOと呼ばれることが一般的なGoogleマップへの上位表示施策が、日本ではMEOと呼ばれているのです。
ちなみにMEOは日本だけで使用される言葉なので、海外では通じないことを覚えておきましょう。
ローカルSEOを実施するメリットはおもに3つあります。それぞれについて解説します。
ローカルSEO施策を実施することで、自社のGoogleビジネスプロフィール情報が上位表示されれば、顧客の目に触れる機会が増え集客効果が高まります。
「地域名+キーワード」を入力する顧客は目的意識が明確なため、そこに自社の情報を表示させることで確認してもらえる可能性が高いので、認知度の向上が期待できるでしょう。また、顧客にとって価値の高い情報を提供できれば、来店につながりやすい点も大きなメリットです。
ローカルSEOは地域限定という性質上、競合が近隣店舗に限られることもポイントです。
SEOの場合は、日本中、場合によっては世界中の競合企業のWebサイトとしのぎを削る必要があります。
しかし、ローカルSEOであれば競合企業が大幅に減るため、施策の効果も出やすい点がメリットだといえるでしょう。また、ローカルSEOで対策が必要なものはローカル情報と口コミ、キーワードへの対策に限定されるため、一般的なSEOよりも業務負荷が軽くなります。
Googleマップで検索をかけたときに表示されるローカル情報は、Googleビジネスプロフィールの情報です。そのため、Googleビジネスプロフィールの運用を適切に行う必要があるのですが、ツール自体は無料で使えます。
つまり、ローカルSEOは無料ではじめられるということです。もちろん、運用工数は発生しますが、初期費用やランニングが不要で集客効果を高められるため、ローカルSEOの費用対効果は非常に高いといえるでしょう。
ローカルSEOのターゲットになる、ローカル情報の表示方法には「ローカルパック」と「ナレッジパネル」の2種類があります。それぞれがどのような表示結果なのか解説します。
ローカルパックとは、検索時にローカル情報をまとめて表示する方法です。Googleで検索をすると、検索結果よりも上に表示されるので、見たことがある方も多いでしょう。
ローカルパックに表示された店舗を選択すると、Googleビジネスプロフィールの情報が表示されます。一般的なSEOの場合、企業のWebサイトへ遷移しますが、Googleビジネスプロフィールの情報が表示される点はローカルSEOの大きな特徴といえるでしょう。
ナレッジパネルとは、上図の右側の表示されている固有の企業や店舗の情報のことです。地域名に組み合わせるキーワードが、店舗名、企業名といった固有名詞の場合は、ナレッジパネルが表示されます。
ナレッジパネルが表示されることで、顧客はわざわざ企業のWebサイトへアクセスしなくてもサービスや店舗の概要を把握することが可能です。Googleが収集した混雑する時間帯や口コミ、食べログなどの評価を瞬時に確認できます。
また、Googleビジネスプロフィールに掲載されている価格や予約方法なども確認できますので、非常に便利です。よって、企業側はGoogleビジネスプロフィールの情報を、顧客にとって価値が高いものに日々メンテナンスする必要があります。
ローカルSEOで上位表示を狙うためには、Googleビジネスプロフィールの情報を充実させることが必須です。中でも決定的なものが「関連性」「距離」「知名度」という3つの要素になります。
ローカルSEOの順位を決定づける1つめの要素が関連性です。顧客が検索したキーワードとの関連性が高くなるほど、上位表示される可能性が高くなります。
したがって、ローカルSEOを行う際には、顧客が検索する可能性が高いキーワードを全て抽出して、Googleビジネスプロフィール上に登録することが必須です。
ローカルSEOの順位を決定づける2つめの要素は距離です。例えば「渋谷 ラーメン」と検索した際には、現在地からの距離も掲載順位に大きく影響します。
よって、Googleビジネスプロフィールには店舗の正確な情報を入力しておきましょう。また、顧客がアクセスしやすいように、店舗の外観を写した写真を、昼間と夜、違う角度から撮影したものなど、複数用意しておくこともポイントです。
知名度もローカルSEOにとって非常に重要な要素といえます。知名度はWebサイトの検索順位だけでなく、一般的な知名度やお店の評判などによって複合的に決定されるため、幅広い対策が必要です。例えば、飲食店の場合であれば、いわゆる「有名店」と呼ばれるお店になることが最終的なゴールといえるでしょう。
一方、ローカルSEOで知名度を高めるためには、Googleビジネスプロフィールの口コミをたくさん集めることが重要です。また、評価は星4以上など高いものが多いほど、検索順位にポジティブな影響を与えるでしょう。
ローカルSEO対策を行う方法は、ズバリGoogleビジネスプロフィールの運用を行うことです。実施方法について簡単に解説します。
ローカルSEO対策を行うためには、まずGoogleビジネスプロフィールに登録する必要があります。
Googleビジネスプロフィールとは、Google検索やGoogleマップといったサービスに、店舗やサービスの情報を表示させて管理できるツールです。以前は「Googleマイビジネス」という名称でしたが、2021年の11月にGoogleビジネスプロフィールに変更されました。
GoogleビジネスプロフィールはGoogleアカウントを持っていれば無料で使えます。顧客が「地域名×店舗・企業名」で検索すると、Googleビジネスプロフィールに登録されている情報が掲載されるため、上位表示されることで集客につながる点がメリットです。
また、Googleビジネスプロフィールでは口コミの投稿が可能で、企業側から返信ができます。丁寧に顧客とコミュニケーションをとることで良好な関係性を構築できれば、エンゲージメントが高まりロイヤルカスタマー化も期待できるでしょう。
Googleビジネスプロフィールの表示順位は、顧客が入力した「地域名×キーワード」にもっとも関連性が高いものから上位表示される仕組みです。そのため、店舗やサービスに関する正確な情報を入力して、内容を充実させておく必要があります。
店舗やサービスの説明はもちろん、営業時間や住所、休日、メニュー、値段など、顧客が必要とする情報を網羅することが重要です。
Googleビジネスプロフィールに情報を入力する際には、NAPを統一することが基本といえます。NAPとは「Name(名前)」「Address(住所)」「Phone(電話番号)」、それぞれの頭文字を並べた言葉です。
Googleビジネスプロフィールに掲載する情報は、自社のWebサイトや紹介サイトに掲載しているものと同じ内容にしておく必要があります。Googleに別の店舗と認識されて、掲載順位にネガティブな影響が出ないようにするためです。
例えば、店舗名を入力する場合、カタカナ・平仮名、アルファベットなどの入力ルールを統一しておきましょう。また、住所も同様に「1丁目1の1」や「1-1-1」、「5階」や「5F」など、細かい表記ルールを決めておくことがポイントです。電話番号についても「-」を入れるかどうかなど、徹底した入力ルールを決めて運用します。
ローカルSEO対策を実施する際に、意識すべきポイントを4つ紹介します。
ローカルSEOを実施する際には、まず競合と自店舗を徹底的に比較することからはじめましょう。競合と比較した場合の強みと弱みを可視化するとともに、顧客が何を求めているのかについて把握することが大切です。
次に、競合のGoogleビジネスプロフィールの内容を確認することも忘れてはいけません。同業種の店舗がどのような情報を提供しているのか、またどのような評価を受けていて、口コミにどのように対応しているかなど、徹底的に分析して自社のローカルSEO施策をブラッシュアップすることが重要です。
Googleビジネスプロフィールの掲載順位には口コミの数と評価が大きく影響します。そのため、できるだけ多くの口コミを獲得できる施策を展開することが必要です。
なお、Googleビジネスプロフィールの口コミの重要性については、以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
Googleビジネスプロフィール(Googleマイビジネス)における口コミの重要性
Googleビジネスプロフィールを上位表示させるためには、多くの口コミを集める必要があるため、来店客に割引などのインセンティブを渡して口コミを投稿してもらう施策を実施しようと考える企業も多いでしょう。しかし、口コミにインセンティブをつける行為は、Googleのガイドラインで禁止されてます。
最悪の場合、検索順位が圏外にされたり、アカウントを削除されたりする可能性もあるので絶対にやめましょう。
Googleビジネスプロフィールに投稿された口コミに対して、企業側から返信が可能です。丁寧に返信することで、顧客からの信頼度が向上し、リピートしてもらえる効果も期待できるでしょう。
良い口コミを投稿してくれた顧客に対してはお礼を、また悪い評価の口コミに対しても真摯に対応することが大切です。企業側に落ち度があったことが明確な場合は、きちんと謝罪する必要もあります。
ローカルSEOは顧客の目的が明確なので、情報の鮮度が非常に重要です。そのため、Googleビジネスプロフィールで提供する情報は常に最新のものになるように、こまめに更新しましょう。
なかなか検索順位が上がらない場合は「関連性」「距離」「知名度」という3つの要素を分析し、弱い部分を強化することが必要です。
今回はローカルSEOの概要や効果、種類、順位を決定づける要素、対策方法などを解説しました。スマートフォンで飲食店や美容室、エステなどを検索する顧客に有用な情報を提供することで集客につなげるローカルSEOは、多くの企業にとって必須のマーケティング施策といえるでしょう。
しかも、無料で実施できますので、まだ運用していない企業の担当者様はすぐに取り組むことをおすすめします。
とはいえ、はじめてGoogleビジネスプロフィールを運用する場合、わからない点も多く出てくるでしょう。
そこでおすすめしたいツールが「Canly(カンリー)」です。
CanlyはGoogleビジネスプロフィールやYahoo!プレイスなど、複数の店舗情報や口コミを一括管理・分析することで、管理・運用コストを削減し、集客効果を向上するツールです。
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