この記事から分かること
Googleビジネスプロフィールを利用していると、さまざまなクチコミが投稿されます。店舗を経営されている皆様は自店舗のGoogleビジネスプロフィールに届くクチコミに返信をしているでしょうか。クチコミは店舗の集客に影響があり、返信しているかによりユーザーからの印象が変わります。
本記事ではGoogleビジネスプロフィールにおけるクチコミへの対応方法をご説明します。クチコミの返信について課題や悩みがある場合は、最後までご覧ください。
弊社が2022年7月に行ったクチコミの評点および返信率(*1)が反応率(*2)に与える影響についての調査では、クチコミ返信率が高くなるにつれて、来店に繋がる「電話」「経路案内」「ウェブサイト」の各ボタンのクリック数の合計数が増えることが分かりました。
したがって、クチコミに返信をすることでユーザーの来店を促進する効果が期待できるため、Googleのクチコミには返信するべきだといえます。
※1:返信率 = クチコミ返信数 ÷ 投稿されたクチコミ数で算出
※2:反応率 = 合計反応回数(*3) ÷ 合計検索回数(*4)で算出
※3:合計反応回数 = 「電話」「経路案内」「ウェブサイト」の各ボタンのクリック数の合計
※4:合計検索回数 = Google検索またはマップ上で、検索結果としてGBPが表示された回数
ここからは、Googleのクチコミへの返信について詳しくみていきます。
まず前提として、Googleはクチコミへの返信を推奨しています。Googleビジネスプロフィールのヘルプセンターの内容を確認すると「クチコミに返信することでユーザーの存在やその意見を尊重していることをアピールできます。」としています。
また、Googleが推奨していることを除外しても、クチコミへの返信があるかどうかでユーザーの印象は大きく変わります。
例えば、ユーザーが丁寧に書き込んだクチコミに返信しているお店としていないお店では、どちらの印象が良いでしょうか。迷うことなく、返信している店舗が好印象です。また、ネガティブなクチコミに対して誠心誠意、返信している店舗であれば、ユーザーからの印象を損なうことも少ないでしょう。
Googleが返信を推奨している点やユーザーに好印象を与えられる点からできるだけクチコミへの返信をしたいところです。
Googleのクチコミに限ったことではありませんが、多くのユーザーはクチコミを参考にして行動をしています。株式会社KDDIエボルバが発表した「EC・通販ユーザー動向調査レポート2021 確報版」を参考にすると、良いクチコミによる購入経験が1度でもあるユーザーが98.4%であることが分かりました。
調査内容がECサイトや通販ではありますが、店舗における購買行動においても傾向に大きな違いはないでしょう。多くのユーザーはクチコミの良し悪しで行動することを念頭に置いてください。
いいクチコミが多ければそれだけユーザーが店舗に出向いてくれる可能性が高まりますし、逆にネガティブなクチコミが多ければ客足は遠のきます。いいクチコミを増やすための努力をしつつ、ネガティブなクチコミにも誠実に対応することでユーザーから好印象を持ってもらえるよう努めることが重要でしょう。
ユーザーのクチコミへの返信は、信頼関係の構築に効果があります。店舗を運営している側としても、自分がユーザーの立場になったらイメージができるでしょう。
自らが投稿したクチコミに返信があると、真摯に向き合われているイメージを持ち「このお店は信頼できる」と感じるのではないでしょうか。これは自分が店舗側になっても同じです。ユーザーのクチコミにしっかりと返信すると、ユーザーは信頼感を抱きやすくなります。
ネガティブなクチコミを放置して炎上している店舗もありますが、不誠実な対応はユーザーに不信感を与えます。ネガティブなクチコミにも誠意ある返信をすることで、悪い印象を最小限に食い止めることが可能です。
実際に、下記のようなコメントも。
このように、悪いクチコミの場合でも、真摯に対応することがポジティブな印象につながる場合もあるため、返信するのが原則と考えておきましょう。全く返信をしない場合と比べると、真正面から謝り、改善を約束するほうが印象は良いです。
ここまでクチコミが集客に与える影響や返信する効果について説明してきました。以下でクチコミに返信する際のポイントをみていきます。
Googleのクチコミに返信するには、あらかじめオーナー確認を済ませる必要があります。オーナー確認とは、Googleビジネスプロフィールのアカウントを作成する際の、本人確認に相当するものです。
オーナー確認を済ませることでクチコミに返信できるほかにも、管理画面からユーザーの行動履歴を分析することも可能です。オーナー確認はメリットが多いため、必ず実施するようにしましょう。
実際にクチコミへ返信するときは、最初に感謝の気持ちを伝えましょう。これは良いクチコミだけではなく悪いクチコミの場合も同様です。まずはクチコミを投稿してくれたことに感謝をしてください。
具体的には「今回はレビューの投稿、ありがとうございます。」「この度はご来店ありがとうございました。」などで十分です。
繰り返しですが、ユーザーからのクチコミは真摯に受け止めて冷静に返信することが重要です。特にネガティブなクチコミには、より誠意を持って対応することがポイントになります。
「思ったよりサービスが良くなかった」「食べたいメニューがなかった」など、ネガティブなクチコミをみると感情的になることもあるでしょう。しかしそこで、店舗側が言いたいことを返信してしまうと、感情的なやり取りになってしまいます。
ネガティブなコメントのときは「この度はご来店ありがとうございました。せっかくご来店いただいたにも関わらず、不快な思いをさせてしまい大変申し訳ございません。」など、誠意を持った返信が大事です。
ネガティブなクチコミほど、真摯に向き合うことを意識してください。
クチコミの返信はできるだけ早く行いましょう。一般的なことにはなりますが、返信が遅れると誠意が伝わりにくいものです。また、返信が遅いと投稿したユーザーが見返さない可能性も高くなるでしょう。
「クチコミの投稿があったら24時間以内に返信する」などのルールを決めて、どのユーザーにもムラのない対応を心がけてください。返信が迅速に行われると、ユーザーからの好感度が高まり、リピートにつながる可能性があります。
クチコミの投稿をチェックしていても、ときには確認漏れがあったり返信できなかったりするケースがあります。しかし、クチコミの投稿から期間が経過しても、気づいた時点で返信することが大事です。
理由は、クチコミを見るのは投稿者だけではないからです。たとえ時間が経過しても、誠意を持って返信することでポジティブな印象を与えることができます。
中には、コメントがなく星の評価だけのユーザーもいます。その場合は、自店舗のおすすめメニューやサービスを入れて返信するなど、工夫をしてみましょう。
クチコミの返信で大切なのはユーザーに誠意を伝えることです。そのため返信しないよりは返信した方がいいのですが、定型文を使うと作業感が出てしまい効果が薄まってしまいます。
クチコミへの返信は直接お客様とコミュニケーションを取れる重要なツールの一つです。一つ一つのコミュニケーションを大切にし、丁寧な対応を心がけることが重要でしょう。
クチコミへの返信は接客と同様、言葉遣いに注意しましょう。言葉遣いが荒かったり雑だったりするとユーザーに不快な体験をさせてしまい、悪評に繋がってしまう可能性があります。一方であまりにビジネスライクな文章だとユーザーに冷たい印象を与えてしまいかねません。クチコミには丁寧な言葉遣いを心がけつつ親しみある文章で返信するといいでしょう。
ここからは、クチコミへの返信例文をご紹介します。クチコミの内容を5つに分類して、ご紹介していますので、状況に応じて参考にしてください。
好意的なクチコミには、感謝の気持ちを素直に表現しましょう。
例)
A様、今回は当店をご利用いただきありがとうございました。大変ありがたいお言葉をいただき、スタッフ一同、喜んでおります。今後も皆様に喜ばれるメニューの提供を続けてまいります。A様におかれましても、次回のご来店をお待ちしています。
批判的なクチコミには、お詫びの気持ちと改善する旨を伝えます。
例)
A様、この度はご来店いただきありがとうございました。また、せっかくご来店いただいたにもかからず、不快な思いをさせてしまい大変申し訳ございません。A様にいただいたご経験をスタッフ全員が真摯に受け止め、今後の改善に努めます。
今回は貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
コメントがない低評価へのクチコミは不満があるユーザーの可能性だけではなく、間違えて投稿したことも考えられます。
例)
A様、この度はご来店いただきありがとうございました。ご来店の際に何か不都合なことがありましたでしょうか。スタッフ全員で最善を尽くします。今後ともよろしくお願いいたします。
トラブルのお詫びは、謝罪の気持ちと対応内容に関して返信しましょう。
例)
A様、今回はご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ありませんでした。その後、当店では●●に取り組み改善を試みています。次回のご来店の際は、A様にもご満足いただけるように精一杯、対応させていただきます。ご来店をお待ちしております。
自店舗とは異なる内容が書かれていた場合も、感謝の気持ちなどを含めて間違えていることを丁重に伝えましょう。
例)
A様、この度はコメントの投稿ありがとうございます。内容を拝見させていただきましたが、当店とは異なるお店へのコメントとお見受けします。大変恐縮ですが、投稿内容と投稿先の店舗を再確認していただくことは可能でしょうか。
クチコミに返信するには、クチコミが集まっていなければ意味がありません。ここではGoogleのクチコミ数を増やすコツをご紹介します。
大前提として、サービスや商品が良くなければクチコミは集まりません。
ユーザーは商品やサービスを利用したときに「これはいい!」と興奮し、感情が大きく動いたときにクチコミを書きたくなります。ユーザーに魅力的だと思わせることのできる良い商品やサービスを提供していないとクチコミを投稿してもらうことは難しいでしょう。
良いクチコミを投稿してもらうには、ユーザーがクチコミを投稿したいと思えるような、質の高い商品やサービスが必要です。競合他社に比べて明らかに質の高い商品、サービスを提供できるようになれば、自ずとクチコミも増えるでしょう。
会計の際や退店時に「クチコミの投稿もお願いします」など、顧客に伝える方法は簡単に取り組めます。また、レジ付近にPOPなどを設置して、投稿手順などを表示しておくと顧客が分かりやすいでしょう。
ちょっとしたことにはなりますが、顧客が「お店の魅力を伝えたい」と感じれば、クチコミ投稿の可能性が高まります。
顧客が来店した後にフォローメッセージを送ることで、クチコミの投稿を促せます。次回の来店予約の際のメールアドレスや電話番号を活用して「クチコミの投稿をお願いします」と送ってみましょう。
メッセージを送る際は「ご来店の感想をお聞かせください」「ご不明な点は、いつでもご相談ください」などにすると、リピートとクチコミ投稿に期待ができます。
クチコミの投稿を促すPOPやポスターを、店内に掲示することも有効です。レジ付近に設置するポップと同様の内容でも構いません。例えば、サロンなどでは待合スペースに掲示すると良いでしょう。
飲食店などは、テーブルごとに設置すると顧客が分かりやすいです。また、投稿ページにすぐに移動できるようにQRコードを設置すると、投稿する際の手間がかかりません。
クチコミを増やすためのテクニックに関してより詳しく知りたい方は下記もご参考にしてください!
「Googleマイビジネスの口コミを増やすための4つのテクニック」とは?
ネガティブなクチコミへ返信する際は、クチコミを投稿した本人だけでなくクチコミを見ている他のユーザーへの印象を意識することが重要です。お店の情報を見ている他のユーザーに、悪い印象を与えないような対応を心がけましょう。
具体的には、投稿者を煽ったり否定したりする返信ではなく、クチコミを投稿してくれたことに対してのお礼や不快な思いをさせたことに対しての謝罪の気持ちを真摯に伝えましょう。
前項でご紹介した「明らかに自店舗と異なる内容が書かれていた際の対応」として、クチコミの削除依頼があります。
クチコミの削除依頼の方法は2つあります。ひとつはGoogleビジネスプロフィールの管理画面から報告する方法です。Googleビジネスプロフィールの管理画面で、報告するクチコミを選択して「不適切なクチコミとして報告」から削除依頼を出します。
もうひとつの方法は、Googleマップ上から依頼を出す方法です。Googleマップを開いて、該当店舗を検索、その後、削除したいクチコミを選んでください。「違反コンテンツを報告」を選んで削除依頼を出します。
以上の方法は悪質なクチコミなどの削除依頼にも活用できます。自店舗に不利益になるようなクチコミを見つけた際は対応してみましょう。
ネガティブなクチコミに対して反論や言い訳の内容の返信は避けた方がいいでしょう。ネガティブなクチコミに対して相手の意見を受け止めない姿勢はユーザーに対して不誠実な店舗であるという印象を与えてしまいます。
また、クチコミは書き込んだユーザーだけではなく、他のユーザーも目にするものです。 不誠実な店舗だと思われると他のお客様や将来お客様になる可能性のある人まで遠ざけてしまいます。どんなクチコミにも丁寧な言葉遣いで真摯な対応を心がけましょう。
Googleのクチコミ対策をすることによって、MEOの効果の向上が期待できます。
MEOとは「Map Engine Optimization」の略語で、日本語では「マップエンジンの最適化」を意味します。主にGoogleマップ上の店舗情報を最適化することで「検索数・来店数を増やし、売上の最大化に繋げること」が目的となります。
MEO対策で重要なポイントは「関連性」「距離」「視認性の高さ」とされ、クチコミ数とスコアは視認性に影響します。
クチコミ数が多く評価の高い店舗はユーザーに安心感を与えることができ、来店する意欲を高めることが可能となります。また、クチコミに対して返信を行うと、以後投稿されるクチコミ評価が上がる傾向にあるため、クチコミ対策を行うことで、MEOの効果の向上が期待できるといえます。
炎上を防ぐには下記の3つを行うことが効果的です。
時にはネガティブなクチコミが書き込まれることもあります。その場合も感情的になるのではなくユーザーからの意見を受け止め誠意を持った返信・対応を心がけましょう。また、ユーザーからの声を参考にサービスの改善に取り組むことでより良いサービスを提供できるようになりユーザーからの評判も高まります。
クチコミの返信では誠実な姿勢を伝えることが一番大切です。定型文だと受取手に冷たい対応だという印象を与えてしまうかもしれません。一つ一つのクチコミに丁寧に返信しましょう。
また、自作自演は他のユーザーやGoogleにバレる可能性があり、バレた際にユーザーからの信頼を失ってしまいます。絶対に行わないようにしましょう。
クチコミは第三者に公開されているため、悪意のあるクチコミを書かれてしまうと多くの人が目にし、店舗の評判が下がってしまう可能性があります。
言われのない誹謗中傷や不適切な表現で書かれたクチコミはGoogleに依頼して削除することができますので、自店舗に不利益になるようなクチコミを見つけた際は削除依頼を出しましょう。
Googleビジネスプロフィールのクチコミへの対応は、投稿内容によって異なります。どのような内容であっても、迅速かつ真摯に返信することが集客につながります。本記事では投稿内容のパターン別の例文もご紹介しました。クチコミの返信の際の参考にしてください。
しかし、1店舗ずつクチコミを管理するのは大変ですし、クチコミを活用して集客に繋げるにはいくつかポイントがあります。
「Canly(カンリー)」ならクチコミを管理画面上でまとめて管理、また、豊富な返信テンプレートにより返信の効率アップ。また、全店舗分のクチコミデータをCSVで出力することでクチコミの分析が可能です。弊社では便利なシステムに加えて、国内外40,000店舗以上の支援実績を持つ専任のコンサルタントが貴社のご担当者様と伴走しながら運用支援を行います。
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